どうも、ぞーさんです。
スマートウォッチやスピーカーなどのガジェットばかり紹介しているぞーさんですが、実は建設会社に16年勤務している建築士です。
しかし今まで一切、住宅系の記事を書いた事がありませんでした。
ぞーさんは仕事で住宅から共同住宅の販売や建設に携わり、10年前には自分の家も建てました。
そのため、家を建てるという事に関しては販売、建てる立場と購入する立場の両方を経験しています。
そこで経験した事をこれから住宅を購入しようとしている方にぞーさんの失敗談や後悔したことをまとめました。
こんな方に読んでほしい 家探しをこれから始める方
気を付けて欲しいポイントを知りたい方
ぞーさんの住宅との関わり
- 子供の頃から住宅販売の間取りを見るのが楽しいかった。
- 住宅・共同住宅の施工の請負や販売を行う建設会社に16年間勤務。
- 業務は給排水工事の見積もり、施工管理、協力会社への発注業務、業法関連のチェックなどに携わってきた。
- 住宅系の資格としては、2級建築士、1級施工管理技士、給水装置主任技術者、ファイナンシャルプランナー3級。
- 2010年に新築戸建てを購入。建築条件付で更地の土地を購入。
簡単に箇条書きでまとめるとこんな感じになります。
2010年に新築を購入しているのですが、勤務してる会社で購入しませんでした。理由は建築条件付の土地を購入したことと勤務している住宅が高いからです。土地は嫁さんの実家から歩いて1分で駐車場を4区画にして販売していたのを嫁の母が見つけ、購入することとなりました。
家を建てる前に確認する6つの事
ほとんどの人は家の購入が初めてです。今でこそネットで様々な情報がありますが、それでもよくわかりません。
なぜなら、地域や年齢、勤務地、家族構成、販売会社、条例など条件が人によって違うからです。
まだ家探しをこれからスタートするという方に、初期段階で確認して欲しいことをまとめました。
家に求める事をリスト化し優先順位を決める
家の購入には確認事項や希望、制約事項など様々な要素が混在します。しかも人生で一度あるかないかの大きな買い物となると尚更悩んでしまいます。
全ての希望や制約事項をクリアできれば良いですが、そんなことはまずあり得ません。そうなると条件に優先順位をつけていくと現実的に進めていくことが出来ます。また、家の購入となると自分一人ではありません。家族との意見も重要となります。その為、家族の意見も取り入れ検討していく必要があり、要望事項はリスト化して検討していくことが一番分かりやすいです。
土地の仕入れ、施工、販売までトータルで行う会社が安心
ほとんどの人が住宅購入は初めてです。
全体的な流れなんて全く分かりません。住宅購入には様々な役割の担当と打ち合わせを重ねて進んでいきます。そこでどうしても、こちらの思っていることと先方の思っていることの食い違いというものが出てしまいます。それを最小限にするために、土地の購入から施工までを行う会社がとても安心です。
私が契約した会社も建築条件付の土地を販売し、その会社が施工する会社でした。そのため、契約から引き渡しまで一つの会社で行えるので、ずっと相談できる人はいました。しかし、工程によって担当は変わるので、契約までは営業担当、プランの打ち合わせに入ると設計担当、現場が着工すると建築担当、というように担当者が変わっていきます。その担当者の引き継ぎでうまく伝わっていないということもありました。これが関係会社など別会社になるともっと大変なんだろうなぁと実感しました。
私の時は契約時に営業担当に、当時住んでいた賃貸アパートの契約更新が半年後になるのでそれまでに引き渡しが出来るのかということを確認しました。それが実際に現場が着工した時にはしっかりと伝わっておらずアパート更新の2ヶ月前に進捗具合から心配になって大工さんに確認したところ、伝わっていませんでした。その後、建築会社から引き渡し時期を遅らせてくれないかという要望がありましたが、アパートの更新料などがどうしてもかかってしまうので困るので打ち合わせをし結局、工期を調整し無事、アパート更新前に引っ越しすることが出来ました。
これが土地購入の会社と施工会社が違うという場合などは問題が起こった時は大変になると思いました。その為、トータルで請け負ってもらえる会社で契約することをお勧めします。
購入する土地に水道、ガス、電気があるのか?
当たり前ですが家にはライフラインが必要です。
更地で土地を購入する場合は水道、電気、ガスの引き込みがあるかの確認が必要です。オール電化の場合はガスは必要ないですが。
水道を宅地にない場合は前面道路の給水管から取り出す必要があります。道路を掘削し、給水管から分岐して宅地に引き込んで、また道路を復旧します。この工事は前面道路の状況や給水管の埋設位置によって、金額が変わってきます。例えばバスレーンで取り出し工事が昼間は出来ないなんてこともあります。その場合は夜間工事となります。また給水管が宅地から反対側に埋設されている場合は道路を全面掘削して取り出しを行うようになってしまいます。そうなると100万円単位で工事金額が変わってきます。
- その為、土地を購入する場合はライフラインが入っているのか?
- 土地購入金額にライフラインに引き込み費用が含まれているのか?
を確認する必要があります。
敷地面積も大事だけど容積率が大事
間取りは家の計画でとても重要です。玄関にはシューズクローゼットが欲しい。キッチンにはパントリーが欲しいなどプランは計画の中で一番楽しく、夢が膨らみ重要なポイントです。
理想のプランを計画するにはスペースが必要です。つまり土地の広さです。土地が広ければ広いほど建てられる間取りのプランは広がりますが広ければ広いほど価格は上がるので予算にあった条件での計画となります。その土地の広さで重要になるのが容積率となります。容積率とは「建物の延べ面積(延べ床面積)の敷地面積に対する割合」になります。
- 容積率 60%の場合 敷地面積100m2だと 60m2の床面積まで建てられる
- 容積率200%の場合 敷地面積100m2だと200m2の床面積まで建てられる
ただ容積率は用途地域の種別によって違うので、地域によって環境が変わります。その為、土地の面積や容積率だけをみて判断するのは危険です。高い建物が建てられる地域、商業施設を建てられる地域など計画できる建物は地域によって異なるので用途地域を確認して、自分が住みたい用途地域で探しましょう。
実際に建築した建物を内見する
家を購入する前に必ず実際に物件をみてみましょう。
会社ごとに取り扱っている商品が異なりますが、実際の建築した建物を契約する前に確認してください。カタログや間取りだけでは確認出来ないことやイメージが伝わらないことが多々あります。
また、見学したら写真を撮るようにしてください。いくつかの候補の中で選ぶときにどうしても比較するのが難しい時があるので、写真を撮って比較しましょう。
ハザードマップのチェック
最近は気象変化によって、水害や土砂崩れなどの災害が各地で多く発生しています。これらの災害は年々多くなっていますが発生する場所はある程度、過去にも発生しているところがほとんどです。
初めて住む地域の場合はハザードマップを確認することでその地域の起こりやすい災害を確認することが出来ます。
国土交通省 ハザードマップポータルサイト
- 洪水ハザードマップ
河川の氾濫、堤防の決壊などによる水害
- 内水ハザードマップ
市街地に降った雨が排水処理能力を超えてしまい氾濫して起きる水害
ゲリラ豪雨の増加とともに、最近多くなっている
- 高潮ハザードマップ
台風や発達した低気圧が湾岸を通過する際に海面が上昇することにより
陸地にも海水が押し寄せて被害を及ぼす
- 津波ハザードマップ
- 土砂災害ハザードマップ
土石流、ガケ崩れの危険
- 火山ハザードマップ
- 地震防災危険度マップ
- 液状化ハザードマップ
地震の振動によって地盤が揺さぶられ、液体状になること
液状化によって、道路や建物が沈下したり傾いたりする被害が出る
【失敗談】こうしておけば良かった7つの事
ぞーさんは2010年に家を購入し、住んでから10年が経ちました。
住んでからこうすれば良かったということがいくつか出てきました。特に費用が大きく発生しないものもあります。そこでこれから計画する方に役立つこともあると思うので、まとめてみました。
太陽光発電をつければ良かった
新築で家を建てる場合、今では当たり前のように太陽光パネルをオプションで追加出来ます。
私が家を建てたときは、2011年の東日本大震災が発生する前でした。当時も太陽光発電はありましたがまだ現実的に考えることが出来ず見積もりにも入れることはありませんでした。今思えば、我が家はオール電化だったので太陽光パネルがあれば震災等で停電になっても昼間は発電することが出来ました。
震災後は売電価格も高く、リフォームで後から設置する家もたくさんありました。当時はリフォームで太陽光パネルの見積もりをとりましたが、100万円ちょっとの工事で10年以内には工事代は回収できるプランでした。しかし、家を建てて1,2年の屋根にビスを打ってパネルを設置するということに気が乗らず、設置することはしませんでした。
これから家を建てるんだったら、絶対に太陽光パネルを設置します。
売電目的ではなくも災害時の停電に備えて設置したいです。
LED照明にすれば良かった
これも東日本大震災が影響しますが、我が家はLED照明がほとんどありません。
しかし、震災後LED化が進み、今ではほとんどの照明がLEDとなりました。
LEDのメリットは、何と言っても寿命の長さです。
一般的に
- 電球の寿命は約3000時間
- 蛍光管の寿命は6000〜12000時間
- LEDは約40000時間
となります。
一日6時間点灯の場合、LEDは約18年持つことになります。
ただし、LEDの寿命が長くてもその他の部品が故障することがあるので実際に10年以上確実に使えるかは保証されません。ですが蛍光管のように1年に1回交換しなくてわいけないようなことはないので絶対におすすめです。
LEDは寿命が長い上に、消費電力が少ないというメリットもあります。
消費電力が少ないということは電気代が安くなるということです。実際にどのくらいう安くなるのでしょうか?
60W形の白熱電球とLED電球を比較してみます。
60W形の白熱電球とLED電球を比較
- 1日あたり5時間、1ヶ月(30日)計算
- 1kWhあたり19円43銭
この条件で比較すると、月に約128円、年間に約1560円、LED電球の方が安くなります。
ただし、LED電球の方が本体価格が高いので採算が合うかというと使い方によります。その為、コスト比較でいうと大きく安くなるとは言い切ることが出来ません。
LED照明にすると、電球の入れ替え手間がかからなくなるというメリットがあるということです。
床暖房を付ければ良かった
我が家では床暖房をつけませんでした。理由は費用面です。
以前に住んでいた新築のミサワホームの賃貸アパートも付いていませんでした。ファミリータイプの間取りで私が戸建で家を建てる時にはこのアパートの間取りをかなり意識して計画しました。
このアパートには床暖房が付いていませんでした。その為が私はあまり必要性を感じておらず、ちょっと贅沢だと思っていました。
しかし嫁さんはキッチン、ダイニングには床暖房を設置したいと希望していました。
色々とオプションを追加していく中で予算がだいぶ厳しくなり、結果、床暖房を採用しませんでした。
実際に住み始めて我が家は在来住宅ですが、冬になると以前住んでいたミサワホームのアパートよりも寒く感じました。特に台所です。
以前のミサワホームの間取りでは台所に窓がありませんでした。しかし戸建は窓が多いです。台所にも窓があります。
暖房をつけていてもキッチンの足元が寒いんです。特に女性は寒さに弱く、キッチンにいる時間が長いので余計に寒さが辛いんです。
その為、10年経っても言われ続けます。「床暖房を付ければよかった」と。
床暖房は家で快適に過ごすには必要だと痛感しました。
洗面所、浴室の窓は小さい方が良かった
浴室の窓は引き違いの窓と、洗面所には胸上から天井までのスイングサッシがあります。でも浴室と洗面所は換気が取れれば出来るだけ小さい方が良いです。外からの視線を考えると全開にすることはありません。むしろ結露でカビが出るので出来るだけ小さい窓の方が良いです。
理想は天井近くの上部に設置する窓です。
外部からの視線が気にならない高さで光を取り入れられ、お風呂に入っていても気にせず窓を開けられるので良いです。
しかも壁を広く使えるので、収納棚を設置したりすることが出来、スペースを有効活用することが出来ます。
小屋裏部屋へのアクセスは階段が良かった
2階建ての戸建住宅の場合、小屋裏スペースの利用は重要です。2階にリビングを配置した場合、天井を高くして勾配天井とすると広く開放的になります。または、小屋裏スペースを収納として利用することも一般的です。
小屋裏スペースは条件を満たすと床面積に換算されないので収納スペースが欲しい場合は利用した方が良いです。
条件としては小屋裏収納面積は下階の床面積の1/2未満、天井高は1.4メートル以内と規定があります。
我が家でも6畳の小屋裏スペースを設けています。季節ものの扇風機や鯉のぼり、兜飾りなどを収納しています。6畳ほどあるとかなりの量の荷物を収納できるのでとても便利に使っています。しかし、とても残念なのが天井に収納できるハシゴにしたことです。
荷物の出し入れがとても大変なんです。大きな荷物の場合は、あげる時はなんとかなるのですが下ろす時はかなり危険です。何度かバランスを崩し落ちそうになりました。その為、2階のスペースは多少犠牲になりますが階段を設置するべきです。そうすることによって、小屋裏の利用頻度がかなり多くなります。実際に荷物をあげたり下ろしたりするのは嫁では出来ませんので私の作業となっています。これだと折角の収納スペースが有効活用出来ません。
なんども言いますが2階の階段スペースを設置するのでもったいないですが、設置した方が活用されます。
玄関に収納が欲しかった
玄関には収納が多い方が良いです。特に子供がいるとベビーカーや三輪車を一時期、玄関に置いていました。
また、新型コロナウイルス感染などのウイルス対策や花粉対策の為にも上着や帽子などは出来るだけ室内に入れたくありません。そんな時に玄関で収納できるスペースがあると便利です。
そのほか、宅配が多くなってきたので玄関に荷物が多くなってきたので、荷物の保管場所も欲しいです。
- ベビーカーや三輪車などの子供の荷物の保管
- 帽子、コート、アウターなどの衣類の保管(ウイルス、花粉対策)
- 宅配物の保管(ウイルス対策)
では玄関に収納を設ける場合はどんな収納が良いのでしょうか?
- 玄関の土間からそのまま入れる収納スペースがいい。
- 換気を取れるようにした方が良い。
- 目隠しが取れればドアが無い方が良い。
玄関の収納としては玄関の土間レベルと同じ高さで靴のまま入れる収納スペースが良いです。部屋に入る前のスペースとして確保したいです。
収納の換気は十分に取れるようにしてください。空気洗浄機などを設置できるようにしておきたいです。
そして一番理想なのが、クローゼット型クリーニング機「LG Styler」です。
LG Stylerを収納スペースに設置出来たら、理想のウイルス、花粉対策が出来ます。
このLG Stylerだと衣類のシワまで伸ばしてくれてクリーニングしてくれちゃうんです。
シンボルツリーはシマトネリコじゃない方が良かった
家を建てるとシンボルツリーに憧れますよね。
我が家では家を建てたときに2本の木を植えました。ひとつは落葉樹のアオハダ。もうひとつは常緑樹のシマトネリコです。
シンボルツリーとして玄関前にシマトネリコを植えました。シマトネリコは常緑樹で一年中、葉が落ちない為、目隠しや日除けに良いと考えて一番目立つ玄関前に植えました。
このシマトネリコは植えてから10年ほど経った状態です。大きくなりすぎて電気の引込み線が隠れてしまっています。これでも年に3回は剪定をしています。切っても切っても葉が茂ってしまいます。まだ40代なのでなんとかやっていますが、70才になったら自分では出来ません。
庭いじりは戸建の醍醐味だと思っていますが、これだけ大きくなってしまうと大変です。
葉の処分も大変です。毎回、60リットルのビニール袋が7、8袋になってしまいます。ゴミ捨ても2、3回に分けて捨てています。
植えて時には背丈ぐらいの大きさでしたが、7年ぐらいした時には屋根の高さまでいっていました。
その点、アオハダは落葉樹ですが季節を感じることもでき、大きくならないのでとても管理が楽です。
戸建でシンボルツリーを植える場合は後々の管理も考慮して選んでください。
おすすめはアオハダです。
まとめ
二級建築士のぞーさんは建設会社勤務で家を販売、建築する立場でもあり、自分の住宅を購入した立場も経験しました。
その中で色々こだわって計画しましたがどうしても後悔するところが出てきてしまいます。
出来ることなら人生で3回ぐらいは自分の家を建てて住んでみたいものです。
そんなことは余程の資産家でないと出来ませんし、人生で一度経験する方がほとんどです。その一度の大事な住宅の計画のヒントとしてぞーさんの失敗談も気にして頂ければ幸いです。
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